今日は、電子書籍の可能性について、別の角度から考えてみたいと思います。
電子書籍はEPUBファイルで出来ています。それを、スマートフォンや専用の電子書籍端末、あるいは専用のアプリでPC上で開くと ”本” の形式で読むことができます。EPUBファイルもデジタルデータですから、ダウンロード、USBメモリなどで、簡単に配布することが可能です。
しかしながら、既に出版しているものと同じ内容のEPUBを無料で配ることは、Amazon等の販売プラットフォームとの絡みで出来ません。では、販売を前提としない場合はどうでしょう?
現在、配布用のデジタルコンテンツとして、最も普及しているのがPDFです。でも、ひとつだけネックになることがあります。それは、スマートフォンでPDFを見る場合です。
PDFは固定レイアウトなので、スマートフォンの画面サイズに合わせて拡大・縮小しながら見ていく必要があります。これは体験してみると、かなり不便でフラストレーションがたまります(もちろん、タブレットならPDFを開いても快適に使えます。 スティーブ・ジョブズ氏が、iPadのサイズに拘った理由が分かる気がします……)。

スマートフォンの普及により、便利なPDFが不便なPDFになる可能性が高いのです。これはビジネス上避けねばなりません。
その点、同じ資料をEPUB形式の電子書籍として配ることができれば、スマートフォンで開く不便さから開放されます。電子書籍には、文字の大きさを自由に選べてページも崩れず、自動的に入りきらない文字を次のページに先送りしてくれる機能が付いているからです。各端末のディスプレイサイズを1頁とする文字数が、自動的に割り振りされるのです。
また、PDFだとファイルとして保存されますが、電子書籍なら “本” として保存されます。あなたの資料は、他の電子書籍と同様、1冊の本として扱われるのです。
PDFは誰でも簡単に作れますが、電子書籍は誰でも簡単にという訳には参りません。今のうちにEPUBの作り方について学んでおくことは、あなたのビジネスにメリットをもたらすのではないでしょうか?
2017.07.13 追記:Windowsの定期的なバージョンアップにより、Windows 10のブラウザ Microsoft Edge(因みに手元のバージョンは 40.15063.0.0でした)に、EPUBリーダーの機能が搭載されています。実際にEPUBデータを表示させてみると、横長の画面サイズに合わせ2段組になっています。
また、読み上げ機能がありましたので再生してみました(確認用ですので、画質音質はご容赦ください)。
Edge_reading function from Kenji Yakuwa on Vimeo.
そのほか、目次表示、文字検索、Cortanaに質問などの機能もあります。また、当然ながら、テキストサイズ、文字間隔、背景色なども選べます。Windows 10環境の方は、EdgeでのEPUB体験をおすすめいたします。
この記事へのコメントはありません。